在宅で腹膜透析(PD)を行っている方にとって、もっとも注意したいのが「感染症」です。
とくにカテーテル出口部やトンネル感染は、放置すると腹膜炎につながることもあります。
在宅で腹膜透析(PD)を続けるうえで大切なのは、特別なことよりも毎日の小さな確認と正しいケアの継続です。
感染を防ぐために、私が現場で特に大事だと感じるポイントを5つにまとめました。
① 毎日、出口部の状態をしっかり観察する
まず大切なのは、出口部を毎日しっかり観察することです。
早い段階で異常に気づければ、感染が広がる前に対応しやすくなります。いつもと違う変化がないか確認しましょう。
「少し気になるかも」という段階で記録しておくことも重要です。
出口部の異常は以下のようなものがあります。毎日チェックしましょう。
- 赤みがある
- 腫れている
- 痛みがある
- 浸出液(ジュクジュクした液)が出ている
また、皮膚トンネル部分(カテーテルの皮下)に
痛みや腫れ、押したときの痛みがないかも重要な観察ポイントです。
観察には手鏡を使うとしっかりと観察できます。入浴前に観察する習慣をつけると良いでしょう。運動後や汗をかいた後にも観察を行うように心がけるとなお良いですね。
そして毎日の観察の記録を手帳にきちんと残しましょう。「いつもと違う」に気づくことが、感染予防の第一歩です。
② 正しい方法でカテーテルケアを行う
ケアが不十分だったり方法が間違っていると、出口部に細菌が入りやすくなってしまいます。
とくに注意したいのは、
- 清潔操作を守る
- 決められた手順を省略しない
カテーテル周囲のケアは、清潔操作を守って行うことが基本です。
手洗い、物品の準備、手順の確認を丁寧に行い、自己流にならないようにします。
交換やケアのたびに同じ方法で行うことで、ミスを減らしやすくなります。
慣れてきた時ほど、基本を崩さないことが大切です。「慣れてきた頃」が一番ミスが出やすいので、改めて手順を見直すことも大切です。
出口部を清潔にするために重要な洗浄のポイントをまとめました。
洗浄のポイント
①石鹸は十分に泡立てて洗う
②出口部を強くこすらない
③石鹸成分はシャワーでしっかりと洗い流す
④洗浄後は清潔なタオルで出口部周辺の水分を良く拭き取る(出口部専用のタオルを使用する)
これらのポイントを意識して出口部の洗浄を行いましょう。出口部の清潔を保つことが感染症を防ぐうえでとても重要です。
③ カテーテルに負担をかけないよう固定する
カテーテルが動いたり引っ張られると、出口部に小さな傷ができ、そこから感染することがあります。
- しっかり固定する
- 引っ張らない・曲げすぎない
といった工夫が必要です。
患者さんの多くは腹巻でポケットを作り、その中にカテーテルをしまって管理していました。中には手作りのPD専用ポシェットを作っている患者さんもいました。自宅にある布等で簡単なポシェットを作ってみてはどうですか。
日常生活の中でも、無意識に引っ張ってしまうことがあるので注意しましょう。
④ 皮膚トラブル(かぶれ・傷)を防ぐ
出口部周囲の皮膚が弱っていると、感染リスクが高まります。
例えば、
- テープや消毒薬によるかぶれ
- かき傷や小さな切り傷
こういった皮膚トラブルがあると、そこから細菌が侵入しやすくなります。肌に合ったテープや消毒液を使用するようにしましょう。保護材やテープの貼り方を見直すだけで、皮膚トラブルが減ることもあります。
違和感(かゆみ・赤みなど)を感じたら、早めに対処することが大切です。
⑤ 接続部やチューブの清潔・安全を保つ
見落としがちですが、接続部の管理もとても重要です。
チェックポイント
- キャップの緩みがないか
- クランプがしっかり閉まっているか
- 接続部にゆるみがないか
- チューブに亀裂がないか
接続するときは清潔を保ち、汚れや破損がないかもあわせて確認します。
チューブのねじれや折れ、接続部のゆるみは、トラブルの原因になります。
また、カテーテルや接続チューブの近くではハサミなど鋭利なものを使わないようにしましょう。
「いつも通り」に見えても、毎回丁寧に確認することが大切です。
まとめ|「観察+正しいケア」が感染予防のカギ
在宅PDの感染予防で大切なのは、毎日の観察と正しいケアを続けることです。
特別なことをするよりも、小さな変化を見逃さず、基本を丁寧に積み重ねることが予防につながります。
少しでも「いつもと違う」と感じたら、無理をせず早めに医療機関へ相談してください。
在宅PDは、正しい知識と習慣があれば、続けやすい治療です。無理なく続けられるケアを大切にしながら在宅PDを続けていきましょう。

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